島本理生の「クローバー」。
久しぶりに読んだ彼女の本で、さらに最近あまりこれだと思うものに出会わない中で久しぶりに面白い本でした。
島本さんもあとがきで書いていますが、だんだんずれて行く主題が、あたしにはなにかひとつのおおきな主題をつらぬいて書かれる物語よりよっぽど自然に感じられて、ほかの本よりとても身近に感じました。
普通に生活していたら、いつのまにか悩みやら目的やら、いろんなものが移り変わっているのが自然だと思うんですよね。来てしまう変化の時期に合わせて。
この物語の主人公である冬治くんがあたしはかなり好きです。彼がみせる、いいところでも悪いところでもある優しさというか気の使い方は、身の回りにもたくさんあふれていて、島本さんはそういうものを文章にできるほどよく感じている方なのかなあと思いました。
読みやすさは毎度ですが抜群なので、息抜きにもおすすめ。喫茶店でコーヒーと一緒にゆっくり読みたくなる本です。