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2008'05.23 (Fri)

わたくし率 イン 歯ー、または世界

わたくし率イン歯ー、または世界わたくし率イン歯ー、または世界
(2007/07)
川上 未映子

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題名にびっくりして読んでみました。
なんというか、何も言う気になれない小説です。
あたしの感受性が足りないのかなんなのか、言ってみればピカソの絵のよさを理解できないみたいな感触で、非常に概念的抽象的です。文法なんてものはあまり存在していない文章で、言葉の渦がこっちに迫ってくる感じです。
こういう一見支離滅裂な作品はたまに見るのですが、あたしは何回読んでも好きとは言えないですね。
主人公はなにやら色々どうしようもないほどひどい目にあってきて、そのなかで自己防衛と一筋の光にすがりつくようになって、そんな背景だとなるほどこういう精神世界になっちゃうのもわかるんだけど、でも最終的にやっぱり思い込みの強い人っていう哀れな印象だけが無機質に残りました。
人は色んなことを考えて生きているもので、この作品はその「思考」の部分を全面的に押し出して、動作とか環境の説明みたいな文はあらすじがギリギリわかるとこくらいまで削ぎ落としてあります。
ほとんど、妄想的。
ただ川上さんはとてもリズム感がいいんだなと思いました。一気に叫ぶシーンなんか、こぎみよいリズムが心地いいです。

もうひとつ収録されている「感じる専門家 採用試験」も、またすごくリズムがいい文章でした。主婦と妊婦の主張のところは、両方の考えに対してわかるなぁと思いました。正反対なのに。世界はそんなに単純じゃないんだなぁとぼんやり考えました。

それにしても、こういう文章をかける人は普段どういう会話をしてるんだろうと少し疑問に思いました。
川上さんの歌も聞いてみようと思います。

テーマ : 読書 - ジャンル : 小説・文学

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